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僕は「シール投票」が趣味です。ときどき一人で、あるいは「シール投票同好会」の友人たちと街頭に立ちます。東京にはいくらでも人がいて、この趣味にはまさにぴったりの街なんだけど、人が多いということは、路上でなにかやっていても、なかなか注目してもらえなかったりもします。
そこで、平日は普通の社会人でありながら、活動時にはちょっとマヌケな鳥の着ぐるみを着用(鳥が好きなんです)。道行く人々を和ませて、話しかけやすくするためにも、多少有効な気がします。今回の銀座は初めてだったので、ハイソな奥様やおじさまばかりで無視されたらどうしようと思ってたけど、わりとみんなノリ良く協力してくれました。
日 時:’15年09月22日(祝日・火曜日)15時半〜17時半
場 所:東京都中央区 銀座の歩行者天国にて
テーマ:「次回の選挙、自民党に投票する?」
実施人数:1人(鳥の着ぐるみ)
投票総数:208
・YES:71(34%)
・N O:126(61%)
・分からない:11(5%)
約35杪に1人
「自民党に決まっとる!」みたいなことを言いながら「YES」に貼った人が、他の人が「NO」に貼ろうとすると「ダメだダメだ!こっちに貼れ!」と声を荒げて「YES」に貼らせていました。そういう人が2人いました。今までシール投票をやっていて、そんな光景は見たことがなかったので、興味深かったです。自民党支持者の人、内心では焦ってるのかもしれない、と思いました。
ちなみに、これは秘密保護法成立直後(2013.12.15)に実施したもの。
投票総数:454
YES:143(31%)
N O:196(43%)
分からない:112(25%)
無効:3
この日、僕は2時間で200人もの見知らぬ人々と言葉を交わしました。そんなこと、普通に生きていたらなかなか経験できないんじゃないでしょうか。真剣さやとまどいや、希望や怒りの感情を肌で感じ、溢れる思いや、切迫した言葉をたくさん聞きました。情報の質としても量としても、これ以上の機会はないのでは?と僕はひそかに思っています。
投げかけるのはいつもシンプルな質問です。それでも路上で僕に質問されて、そのテーマについて考えたことがなかった人が、はじめて自分の頭で考えることも多々あります。誰かが僕と会話を始めることで、立ち止まってそれを聞きながら、考えを巡らせる人もいます。夫婦や友人同士で意見が異なることを、シールを貼ってはじめておたがいに発見し、「えー!」ってなって(笑)その場で新鮮な対話を始める人々もいます。
シールの貼られた投票ボードは、その場の一人一人の声が可視化されたものです。それを民意というと大げさだし、投票結果も非常に大まかなものにすぎませんが、こうして可視化されたものを、道行く大勢の人が目にすることには、大きな意義があるんじゃないでしょうか。
とはいえ結果を分析してみると、2年前と今回で、「YES」に貼った自民党支持層の割合はほとんど変わっていないんですよね。秘密保護法直後には「分からない」だった人たちが、安保法制ではごっそり反自民に移動した。肌感覚としてもそう感じます。あくまで仮説ですが、「浮動層と呼ばれる人々に情報がゆきわたるかどうかが鍵。ゆきわたった分だけ自民不利」なのかもしれません。
シール投票は一人でもはじめられる小さな活動ですが、今のデモクラシーな盛り上がりを、そんなこんなのさまざまなアイデアやアクションを通して、少しでもキープしていけたらと思ってもいます。たとえば共産党の志位さんの、あの「国民連合政府」の提案は、インパクトがあって、あれで当分の間はみんな注目するだろうから、かなりキープできると思うんですよね。ああいうインパクトのある提案とかイベントを来年の夏までに何回か起こせるといいな、と思っています。
イベントとしては、人々と政治家の距離を縮めるような、たとえば議員さんとの車座座談会とか、そういう方向性のイベントがいいのかなと思います。議員さんとの距離が縮まると、未来が明るく見えてくるんですよね。未来が明るく見えてくると、投票に行く気になると思うんです。(と)
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