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難易度=☆☆
戦後まもなく文部省が書いた「民主主義」という教科書が、1948年から1953年まで使われていた。5年でやめてしまわず、今までずっと使い続けていれば、日本はどんな国になっていただろう。現政権の人々や、今の文科省の官僚たちは、読んだことがあるのだろうか。ごく一部を引用してみよう。
「民主主義の反対は独裁主義である。専制主義、全体主義、ファシズム、ナチズム、そのほかいろいろな形をとって現れるが根本の共通点がある。権威を持っている人間が普通一般の人々を軽蔑し、見おろし、一般人の運命に対してすこしも真剣な関心をいだかないという点である。
独裁者たちは、かれらの貪欲な、傲慢な動機を露骨に示さないで、それを道徳だの、国家の名誉だの、民族の繁栄だのという、よそ行きの着物で飾るほうが、いっそう都合がよいし、効果もあがるということを発見した。
独裁主義は民主化された今後の日本にもいつどこから忍び込んでくるかわからない。独裁政治を利用しようとする者は今度はまたやり方を変えてもっと上手になるだろう。民主主義という一番美しい名前を借り、こうするのがみんなのためだと言って、人々を操ろうとするだろう。
それを打ち破る方法は、ただひとつある。それは国民のみんなが政治的に賢明になることである。人に言われて、その通りに動くのではなく、自分の判断で、ただしいものとただしくないものとを、かみわけることができるようになることである」
内容
『文部省著作教科書 民主主義』──この本は、当時の文部省が書いて、1948年から1953年まで日本で使われていた教科書の復刻版です。
社会学者の西田亮介さんが、この教科書「『民主主義』は、GHQの指示のもと、法哲学者の尾高朝雄が編纂したもので、現在ならおそらく大学で使うにしても難しく感じるほど守備範囲が広く、内容が充実している。民主主義とは何かからはじまり、その留意点、ファシズムや独裁との差異、資本主義と社会主義の対立、日本における民主主義定着の歴史、民主主義を維持する方法論等々、この本を1冊読めば一通りのことはわかる」と。
高橋源一郎さんは、西田さんのこの「膨大で、熱気に溢れた教科書のようなものこそ必要ではないか」とする論評に触発されて本書を読み、「圧倒された。これは教科書以上のものであり、また『論』以上のものである」と、2015年4月30日(木)の朝日新聞(朝刊)「論壇時評」で紹介しました。(出版社コメントより)
目次
はしがき
第1章 民主主義の本質(民主主義の根本精神/下から上への権威/民主主義の国民生活/自由と平等/民主主義の幅の広さ)
第2章 民主主義の発達(古代の民主主義/イギリスにおける民主主義の発達/アメリカにおける民主主義の発達/フランスにおける民主主義の発達)
第3章 民主主義の諸制度(民主主義と反対の制度/民主政治のおもな型/イギリスの制度/アメリカの制度/スイスの制度)
第4章 選挙権(国民の代表者の選挙/選挙の方法/選挙権の拡張/婦人参政権/選挙の権利と選挙の義務)
第5章 多数決(民主主義と多数決/多数決原理に対する疑問/民主政治の落し穴/多数決と言論の自由/多数決による政治の進歩)
第6章 目ざめた有権者(民主主義と世論/宣伝とはどんなものか/宣伝によって国民をあざむく方法/宣伝機関/報道に対する科学的考察)
第7章 政治と国民(人任せの政治と自分たちの政治/地方自治/国の政治/政党/政党政治の弊害)
第8章 社会生活における民主主義(社会生活の民主化/個人の尊重/個人主義/権利と責任/社会道徳)
第9章 経済生活における民主主義/自由競争の利益/独占の弊害/資本主義と社会主義/統制の必要とその民主化/協同組合の発達/消費者の保護)
第10章 民主主義と労働組合(労働組合の目的/労働組合の任務/産業平和の実現/団体交渉/日本の労働組合/労働組合の政治活動)
第11章 民主主義の三つの側面/民主主義に対する非難/民主主義の答/共産主義の立場/プロレタリアの独裁/共産主義と民主主義)
第12章 日本における民主主義の歴史(明治初年の自由民権運動/明治憲法の制定/明治憲法の内容/日本における政党政治/政党政治の末路)
第13章 新憲法に現われた民主主義(日本国憲法の成立/国民の主権/国会中心主義/違憲立法の審査/国民の基本的権利)
第14章 民主主義の学び方(民主主義を学ぶ方法/学校教育の刷新/教育の機会均等と新教育の方針/「民主主義の教育」の実践/校友会/校外活動)
第15章 日本婦人の新しい権利と責任(婦人参政権運動/婦人と政治/これからの女子教育/婦人と家庭生活/婦人と労働)
第16章 国際生活における民主主義(民主主義と世界平和/国際民主主義と国際連合/世界国家の問題/ユネスコ/日本の前途)
第17章 民主主義のもたらすもの(民主主義は何をもたらすか/民主主義の原動力/民主主義のなしうること/協同の力/討論と実行)
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